カートピア4月号 TOURING With SUBARU SUBARU XV

Touring with SUBARU

絶景と伝統文化にふれる
春色ツーリング

愛媛県伊予市〜砥部町

ぽかぽか陽気に誘われて、やってきたのは四国の北西部、愛媛県。今回の主な目的地は、これまで幾度となく訪れた松山や道後温泉ではなく、瀬戸内海や宇和海に面した沿岸地域。なぜならこのエリアは、インスタ映え必至の絶景地の宝庫だから! 息もつかせぬ海絶景の連続に圧倒される一方で、石垣を積み上げた独特の景観が広がる、古い集落にも迷いこむことに。そんな対称的な顔を楽しみながら、ご当地の特産品や工芸品も味わい尽くす贅沢な旅となった。

伊予・伊方の美しい海岸線を走る


天気は青空が広がる快晴。こんな日は、否が応でも海を目指したくなるもの。真っ青な海と空によく映える、サンシャインオレンジのSUBARU XVに乗りこめば、自然と気分が浮き立つ。そこで伊予・伊方の美しい海岸線を望みつつ、四国最西端の佐田岬半島を目指すシーサイドドライブに出発した。夕日の美しさから、「夕やけこやけライン」の別名をもつ国道378号は、JR予讃線と並行する絶景ルート。運が良ければローカル線と並走できる時間帯もある。JR予讃線には全国からファンの集まる絶景駅があると知り、立ち寄ってみることに。下灘駅はドラマや映画のロケ地になったことで一躍有名になった無人駅。乗車しなくてもホームに入場できるため、記念撮影に訪れる観光客が後を絶たない。ホーム越しに大海原と空がスコーンと抜ける風景は、噂には聞いていたものの爽快だった。

下灘駅のホームから国道378号上のクルマを望む。

下灘駅のホームから国道378号上のクルマを望む。

早咲きの桜や梅、菜の花が競演する春めいた風景に心を躍らせていると、やがて山の斜面にみかん畑が見られるように。柑橘類の生産が盛んな西宇和の国道沿いに、みかん色の看板を見つけて店内へ。「南の果樹園 ニュウズ」は、低農薬・有機肥料にこだわり、自社園地で1年を通じて15種類の柑橘類を栽培している。ここでは旬の柑橘類や加工品を販売する傍ら、14種類前後の冷凍柑橘類から好きな3種類が選べるオリジナルみかんアイスを提供しているので、リフレッシュすることに。ジューシーな甘みと酸味が乾いた身体に染み渡り、生き返る!

右手に瀬戸内海、左手に宇和海を眺めつつ、細長い佐田岬半島を先に進むと、童謡「うみ」のメロディーが聞こえてきた。国道197号は通称「佐田岬メロディーライン」と呼ばれ、時速50kmで走るとタイヤとの摩擦により、佐田岬にまつわる曲が流れる細工が施された、四国唯一のメロディーロードが3カ所あるそう。 そのうち視線の先に巨大風車群が。半島に58基の風車が稼動するなか、国内有数の風の強さで知られる瀬戸地区には20基以上が尾根づたいに連なり、どこまでも広がる空と海、風車が織りなす風景は壮観だ。「せと風の丘パーク」展望台からは絶景が一望できる。

宇和海に面したみかん畑。目の前には黒島が。

宇和海に面したみかん畑。目の前には黒島が。

「南の果樹園 ニュウズ」のみかんアイス カップ350円。ベースはヨーグルトまたはバニラアイスからチョイス。写真はせとか、甘平、清見タンゴールのミックス。

「南の果樹園 ニュウズ」のみかんアイス カップ350円。ベースはヨーグルトまたはバニラアイスからチョイス。写真はせとか、甘平、清見タンゴールのミックス。

収穫時期に冷凍された柑橘類がアイスに。

収穫時期に冷凍された柑橘類がアイスに。

試食もOK。

試食もOK。

県最南端から砥部焼の里へ


ここから先は松山自動車道を南下。大洲IC以南は一部を除き無料区間なので、時間短縮かつ財布にも優しい。宇和島道路の津島岩松ICから県最南端の西海半島までは約1時間。ぐんぐん透明度を増す海を眺めていると、深浦漁港の「市場食堂」に到着した。お目当ては例年春から初秋に水揚げされる「愛南びやびやかつお」。一本釣りまたは曳縄釣[ひきなわづ]りされたもので、すぐに活け締め・血抜きされるため鮮度が良く、切り身の美しさともっちりとした食感がたまらないそう。しかしながら取材当日は水揚げがなく、通年提供の「ふかうら真鯛のごまだれ丼」のセットにする。甘めのごまだれに漬け込んだ真鯛が大葉とネギの香るご飯の上に敷かれた丼で、真ん中には生卵が。南予名物の鯛めしとはひと味違って新鮮。「愛南びやびやかつお」は当日の水揚げ次第の提供なので、出会えたら幸運だ。

「市場食堂」の「ふかうら真鯛のごまだれ丼と刺身セット」1500円。写真の刺身は真鯛だが水揚げ次第ではカツオに。

「市場食堂」の「ふかうら真鯛のごまだれ丼と刺身セット」1500円。写真の刺身は真鯛だが水揚げ次第ではカツオに。

早朝から夕方まで切り盛りする、店主の平田佐姫子さん。

早朝から夕方まで切り盛りする、店主の平田佐姫子さん。

その後、県最南端の集落「外泊 石垣の里」へ。入江を臨む急斜面に広がる古い集落で、軒に達するほどの高さまで石垣を積み上げた独特の景観が特徴。台風や大風から家を守る知恵から生まれたそうだが、築かれた幕末〜明治初期以降、時が止まったままのようだった。

「外泊 石垣の里」の細い坂道の間から海を見下ろす。

「外泊 石垣の里」の細い坂道の間から海を見下ろす。

シーサイドドライブを終え、最後に訪れたのは砥部焼の窯元。内子五十崎ICから約25km、砥部町中心部からは20分ほど山間に入った広田地区の「中田窯」へ。骨董を思わせる独特の風合いと、柔らかで温かみのある絵付けに魅かれ、かねてより窯元を訪れてみたかった。窯主の中田正隆さんに作業場を見せていただく。

柔らかなタッチの絵付けが魅力の「中田窯」の作品たち。そば猪口1296円〜、飯椀2074円〜。

柔らかなタッチの絵付けが魅力の「中田窯」の作品たち。そば猪口1296円〜、飯椀2074円〜。

窯主・中田正隆さんは陶工歴50年以上。

窯主・中田正隆さんは陶工歴50年以上。

「限りなく白く美しい器を追求してきた磁器ですが、私の気持ちにピッタリくるのは、陶器から磁器に移行する未熟な技術で作られていた頃の荒々しい磁器。紙に例えると、洋紙でなく和紙のような風合いですね」と中田さん。磁土に陶石粉を混ぜ、表面がゆず肌調になるよう釉薬を調整。伝統的な文様にアレンジを加え、どことなく西洋の薫りも。同じ柄でも一つひとつ表情が異なり、無造作に器が積み上げられた店内でのお気に入り探しは、幸せなひとときだった。4月21・22日には砥部焼の全窯元が揃う毎年恒例の春の祭典「砥部焼まつり」も開催される。今回は時間が足りなかったので、近いうちに再訪したいと願った。

椿の絵付けが施された素焼きの茶碗。

椿の絵付けが施された素焼きの茶碗。

絵付けした器に釉薬をかける。

絵付けした器に釉薬をかける。

今月のルート


下灘駅〜南の果樹園〜小中浦〜市場食堂〜中田窯

今月の紹介ポイント


南の果樹園 ニュウズ

愛媛県西宇和郡伊方町河内1448-1
TEL 0894-38-2165
営業時間:9:00〜17:00
定休日:無休 年末年始は休み
http://www.news-mikan.com/shop.html

市場食堂

愛媛県南宇和郡愛南町鯆越166-4(漁協敷地内)
TEL 0895-73-2556
営業時間:7:00〜17:00
定休日:土曜、正月、お盆、地方祭 ※市場休業日に合わせて休業
http://www.biyabiya.com/publics/index/79/

中田窯

愛媛県伊予郡砥部町総津159-2
TEL 089-969-2077
営業時間:9:00〜16:00
定休日:日曜、祝日、第2・4土曜とそれに続く月曜

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