Camping
「GO OUT JAMBOREE」にキャンプ初体験のインドア派が行ってみた(後編)
【前編のあらすじ】
日本最大級のキャンプイベント「GO OUT JAMBOREE」の会場に到着!
テントの設営をしたり、乾杯をしたり、バーベキューをしたり…
いろいろしたら眠くなってきちゃいました。
…寝ると見せかけておきつつ、散歩に行くことにします。
キャンプイベントだぞ!もったいないぞ!という妙なそわそわ感で、気づくと眠気はどこかに行っちゃいました。
GO OUT JAMBOREEではキャンプをするだけでなく、様々なイベントが楽しめるのです!
少し覗きに行ってみることにしました。
テントから、緩やかな坂を上っていくと…
巨大なモニュメントが!後ろには富士山!素晴らしい構図!
大勢の人がここで記念写真を撮っています。
いや、全然人いねーじゃん!といったツッコミが聞こえてきそうですが、人が少なくなるまで張り込んだんです。
ほんとに、すごい人だったんですよ!
こちらはフードブース。クレープ、ラーメン、ハンバーガー、お好み焼きなどなど、なんでもあります。
いっそ食材の持ち込みは最小限にして、食事はここで済ませる!なんて楽しみ方もできそうですね。
誘惑に耐え切れず、ラーメンを買っちゃいました。
バーベキューでたらふく食べたのに、さらにラーメンまで食べてしまうという背徳感。たまらないです。
キャンプに来て本格的なラーメンが食べられるなんて、イベントならではですよね。
このゲートの先は、色んなお店が並んでいるエリアになります。
アウトドアメーカーのブースはもちろん、コーヒー豆を売っているお店なんてのも。
会場が広いだけに、お店の数も多い!
ここだけの大特価で売られているものも多いのだとか。
来年は立派なキャンパーとして、ここでキャンプ用品を買いあさろうと思います!
カラフルな「GO OUT」看板。
毎年違ったコスチューム?を身にまとう、シンボル的存在なんだとか。
この画像を改めて眺めていて思ったのですが、後ろのテントが富士山みたいですね。
この看板は、夜になるとキャンドルでライトアップされるそうです。
と、いうことを後になって知り、見ることができませんでした。無念…。
キャンドルがあるんだからライトアップくらいされるだろう。と普通は気づきそうなものですが、この時はウキウキしすぎて考えもしませんでした。
中央にあるステージでは、ライブの真っ最中!
ゆらゆらと音楽を聴いているうちに、日が落ち始めてきました。
いったんテントへ戻ることにします。
テントに戻ってくると、テラダさんが何かしています。
!!!
テントの中にストーブがある!しかも薪ストーブですよ!薪ストーブって初めて見ました!
もはやテントの中とは思えません。あまりにもリビングです。
危ない、ここにいたらぽかぽかで寝てしまいます。
薪は、大きなキャンプ場ならたいてい現地で売っているそうです。
直径30センチくらいの束で、意外と重い!薪は元気なうちに買いに行きましょう。
こんな風に、テントの出入り口から煙突を伸ばして煙を外に出しています。
…煙突があるだけで、グッと家らしくなりますねぇ。
周りでは、明かりをつけ始めるテントがちらほら。
僕らもランタンに火をつけて、
焚き火の火を強くします。
日が暮れて急に冷えてきましたが、焚き火の周りはあたたかくてホッとしますね。
「燃やせ。できるだけ小さな火を。そうすれば、人と人はもっと寄り添える。」
なんて名言があるそうですが、ほんとうに焚き火って、人間の原点みたいなものなのかもしれません。
こころもいっしょにあたためて、周りにいるだけで悩みも、問題も解決しそうです。
だなんて、ちょっと恥ずかしいことも焚き火を眺めていると考えてしまいます。
といったことを先輩方に話すと「ヒューヒュー!」と茶化されました。
ですが、焚き火の前ではその程度の冷やかし、取るに足らないことなのです。
テラダさんが、なにやら金属の箱を持ってきました。
その中に食材を入れ、底にレンガのようなものを入れていきます。このレンガもどきは、木材を固めた燻煙材のスモークウッド。
そうです。今度は 燻製 です!
スモークウッドに火をつけて、
しばし待ちます。
ときおり中の様子を確認するテラダさん。眼差しが職人のそれです。
しっかり燻されたのを確認して…
お皿に盛りつけ、完成 です!
奥からナッツ、ベーコン、ビーフジャーキー、明太子。
ビーフジャーキーがきくらげみたいに見えますが、燻されると黒っぽくなるんですね。
明太子の燻製って、初めて食べました。
表面にうっすら熱が通っていて、ほのかに燻製の香りがします。
初めての感覚。嫌いじゃありません。いや、大好きです。とまりません!
あらかじめキッチンペーパーで水気をとっておくのが、香りがつきやすくなるポイントなんだとか。
作りたての燻製って、ほんとにうまい!市販の「スモーク○○」のようなものとは、段違いの香りです。
ひと段落ついたところで、またイベントスペースへ。
フードブースは、夜でも賑わっています。お腹いっぱいでも、前を通るともれなく誘惑されてしまう…。
ステージはすごい盛り上がり!
「ウォッシャーーー!!!」「ウォォォァァ!!!」「サイコォォー!!!」
といった奇声をあげながらシャッターを押していたら、幻想的な写真しか撮れませんでした。
みなさまも是非叫びながら写真を撮ってみてください。ある意味プロっぽい写真が撮れることでしょう。
…ライブで想像以上に盛り上がってしまいました。
ヘトヘトの身体を癒すため、温かいコーヒーで一休み。
4月でも上着+マフラーぐるぐる巻きが必要な程の寒さ。ホットコーヒーはマストバイでした。
夜はまだまだこれから!って雰囲気が会場全体に漂っています。
しかし、明日も早朝からイベントが盛りだくさん!
友達の家から一人だけ先に帰るような気分ですが、テントに戻ることにします。
外は寒いですが、テントの中は少し暑いくらい。薪ストーブさまさまです。
いい眺めですよね。このままおじいさんがイスでうたた寝をしていても何もおかしくありません。
テントに入ってまったりしていると、猛烈に眠気が…。
今日はもう寝ましょう。
明日も全力で遊び尽くしますよ!!
そういえば、寝袋も初体験でした。
「身動き取れない・寝苦しい・辛い」などなど散々なイメージでしたが、実際に寝てみると快適快適!
圧迫感というよりも、布団にくるくるとくるまっている時のような安心感がありました。
おやすみなさい。
「う、うるさぁっっ!!!」
自分の意識がはっきりするよりも先に声が出ていました。
え?何これ。うるさい、テントがすごくうるさい。
…どうやらすさまじい風と雨の音で目が覚めたみたいです。
この風、この雨。かろうじて大惨事です。
倒壊しないかと心配して、イノウエさんがテントの壁を押さえています。
そんなことしてもムダだと思いまわかります。僕も心配でつい壁を押さえてしまいますよ。
外に出るなんてもってのほかな天気。
ひとつのテントに集まって、様子をうかがいます。
隣のテントに移動するだけでびしょ濡れです。吹き飛ばされているテントもちらほら…。
僕は音と揺れで不安のあまり縮こまっていたのですが、ゴトウさんはずっと寝ていました。
「俺一度寝たら長いんだよね〜」とのことですが、もはやそういう次元を超えているのではないでしょうか。
気付いたらトベさんもいません。
どうやらアウトバックに避難したようです。自由すぎかよ。
しばらくすると、雨風に混じってアナウンスが聞こえてきました。
どうやら実行委員からのお知らせようです。小窓を開けて、耳をすませます。
「この暴風雨の影響で、安全を考慮し2日目の全イベントは中止いたします。ご来場の皆さまはすみやかにテントの撤収を…」
「この暴風雨の影響で、安全を考慮し2日目の全イベントは中止いたします。ご来場の皆さま…」
「2日目の全イベントは中止いたします。」
「中止」
中止。
……………ハッッ!!
昨日とのあまりの落差に現実逃避しかけました。
中止とは、「やらない」ということです。もっと言うと「マジで危ないからさっさと帰ったほうがいいぞ」ってことです。
しかし強すぎる雨風で、片付けることはおろか外へ出ることすらまともにできません。
まさに進むも地獄退くも地獄。
テントの中でひたすら縮こまること2時間。
雨風のピークを越えたところで、すかさず撤収開始です。
ここからの模様は写真が撮れなかったため、僕のイラストで表現しようと思います。
リアルに描くとむさくるしいうえに悲惨な絵になってしまうので、かわいらしい感じにしてみました。
「よしやるぞ!」とスポーツの試合前ばりに気持ちを奮い立たせたにも関わらず、テントを出たとたん全員の戦意が消失。
雨なんて可愛らしいものではありません。滝です、滝が降っています。顔痛ってぇ。
信じられないほどにノロノロと片付け始めます。
最も薄着のゴトウさんは、びしょ濡れになりながらアウトバックのリヤゲートで雨宿り。
正直ずるい!と思いはしましたが、Tシャツ一枚には頼まれてもなりたくありません。
すさまじい風でタープの足が折れて、生まれたての小鹿のような形になってます。
ちなみにこのタープ、新品でした。
こいつもまさか初キャンプで足がグニャグニャになるとは思いもしなかったはず。
防水加工がされた上着なんてものはもちろん着ておらず、身体のあんなところやそんなところに容赦なく冷たい雨が。
人間、ほんとうに寒いと「ウゥゥヴヴ…」といううめき声が口から漏れてくるんですね。
片付け最後の大物、テント。
僕たちに快適なアウトドアライフを提供してくれたこのテントも、今や立ちはだかるラスボスにしか見えません。
必死に畳むも袋に入らず、一からやり直すという諸行無常も経験できました。
結局2度目も袋に入らず、適当に丸めてクルマにぶちこみました。
なんでそこに全部入ってたの?とクルマに聞きたくなるほどの大量の荷物を、テラダさんが巧みに詰め込みます。
その間たいしたお手伝いもできず、僕らができることと言えばボケっとすることのみ。
動かなきゃ寒さで大変なことになる!とただただジャンプしたりして積み込み完了を待ちます。
毛穴の一つ一つまでもれなくずぶ濡れになったところで、ようやく撤収完了!
すぐさま車に乗り込み、近くの温泉に移動します。
濡れた服が体温で徐々に温まっていき、気持ち悪いことこの上なしです。
やっとの思いで温泉に到着。
…信じられないことに、温泉につくころには雨が止むどころか晴れ間がのぞいています。
気付くと、それはそれはきれいな「なんでやねん」が口から零れ出ていました。
温泉は、最高の一言!!!!
これまでのキャンプは、すべてこの時のためにあったのかもしれないと本気で思いました。
思う存分湯船につかり、身体を癒してからゆっくり帰ります。
帰りの車中は、寝てないフリをするのが大変でした(先輩、運転ありがとうございます!!)。
2日目はまさかの結果となってしまいましたが、それも含めてとても楽しい初キャンプでした。
初テント設営
初キャンプBBQ
初薪ストーブ
初焚き火
初寝袋
初テント撤収(ずぶ濡れ)……
一度にこんなに初体験ができるのは、キャンプだからこそ!!ではないでしょうか。
いくつになっても初めての経験って、ほんとうに楽しいものなんだなぁとしみじみ思います。
ちなみに今回のキャンプですが、実は事前に立てていた計画をほぼすべて守れていません!
けれど、テラダさんいわく「それがキャンプの醍醐味でもあるんだ!」そうですよ。
たいてい、何一つ計画通りにはいかない。なのに、それが不思議と楽しいのがキャンプというもの。
その不思議な魅力が、ほんの少しだけ分かった気がします。
もしちょっとでも興味がわいたなら、あなたもキャンプに出かけてみてはいかがでしょうか。
きっと、いろんな初体験と、予定通りにいかない楽しさを、味わえるはずですよ。
あ、あと、焼きマシュマロビスケットとチリビーンズは、
次のキャンプまでにマスターしておこうと思います!
おわり
【今回のキャンプ場情報】
ふもとっぱら
住所:静岡県富士宮市麓156
電話:0544-52-2112
営業期間:通年営業
トイレ:3か所
水場:20か所
AC電源:なし
チェクイン:8:30~
チェックアウト:~14:00
その他施設:炊事場あり、キャンプ場内にお風呂あり(イベント開催時や団体利用時などに利用可能な場合があります)、コテージ・宿舎あり
詳しい情報は、ふもとっぱら - fumotoppara.net - をご覧ください。
※上記の情報は最新の情報と異なる可能性がございます。
必ず事前にご確認ください。