[工場長編 #1]
山口 誠治SEIJI YAMAGUCHI
熊本スバル自動車株式会社 東店 工場長
山口は工場長の仕事を「お客様にクオリティの高いサービスを届けるために、スタッフの働きやすい環境を整えること」だと語る。山口が工場長をつとめる東店では、お客様の来店時間や作業内容に加え、メカニックの作業にかかる時間、工場の稼働率など細かい情報まで、スタッフ全員が共有している。「全員が工場の状況を理解することで、誰が予約を受け付けても、お客様を不用意にお待たせしません。しかも、メカニックに負担がかからないように時間を調整できます。仕事に追われる環境は、焦りがミスに繋がり、お客様の安全はもちろん、メカニック自身の成長を妨げることにもなります」。
東店が共有しているのは、工場運営の管理だけではない。スタッフ同士がお互いの個性を理解することで、チーム力の向上につながっている。「スタッフにも、整備が早い人、お客様への説明が得意な人など、それぞれに得意な分野があります。得意なことはさらに伸ばし、苦手な分野は、得意な人にフォローしてもらいながら、克服していく。お互いがお互いのために何ができるかを考えることがチームの力を強くすると思います」。
山口には忘れられない言葉がある。「君たちのおかげで安心してアクセルが踏めた」。山口がディーラーから選抜されたメカニックとして、スバルのWRCチームに参加した時に、ドライバーの一人である勝田範彦氏が競技終了後にチームに語った一言だ。「モータースポーツでプロに認められたことは、私たちが普段お客様にやっていることと同じでした。クルマの整備をし、窓を綺麗に拭き、視界を確保して、笑顔で見送る。そんな当たり前のことが、『安心と愉しさ』に繋がっていると実感しました」。
『お客様が安心して愉しくクルマを運転できること』。それはスバルチームがお客様にお届けする『当たり前』の価値である。山口が取り組むチーム力を磨くことも、全てはその価値をお客様に確実に届けたいという想いのもと行なわれている。お客様の安心と愉しさのために、今日もスバルチームは『当たり前』の価値を磨き続けている。
熊本スバル自動車株式会社 東店 工場長
※本サイトの内容は、2016年1月から2017年3月にかけて取材し公開したものです。