内部に空気を充てんしたタイヤは、荷重や外部からの衝撃に耐えながら回転を続けます。
このとき、タイヤは重量や圧力を受け止めるとともに、空気もれを防いだり、熱を発散したりといった働きを同時に続けます。
これらの働きをまっとうにするために、タイヤの内部は大変複雑なつくりになっています。
乗用車用タイヤの断面構造
タイヤの諸元
■無負荷時のタイヤの諸元
タイヤを適用リムに装着して規定の空気圧を充てんし、荷重をかけない状態を「無負荷」と呼びます。無負荷時のタイヤは、以下のような要素と数値によって表されます。
タイヤ外径 |
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新品寸法=新品タイヤを規定の方法で測定したときの寸法。 |
断面高さ |
タイヤ外径からリム径を引いた数値の1/2。 |
タイヤの総幅 |
タイヤ側面の模様または文字などのすべてを含むサイドウォール間の直線距離。 |
断面幅(タイヤ幅) |
タイヤの総幅から、タイヤ側面の模様、文字などを除いた幅。 |
トレッド幅 |
タイヤのトレッド模様部分の両端の直線距離。 |
適用リム(リム幅・リム径) |
タイヤの性能を有効に発揮させるのに適したリムのことで、標準リム幅と適用リム幅があります。標準リムとはタイヤに最も適した幅と形状をもつリムを指し、最適幅はタイヤ幅の70〜75%とされています。(インチ単位) |
リム・フランジの高さ |
リム(ホイール)のタイヤと組み合わされる部分の高さ。 ([リムフランジ外径ーリム径]×1/2) |
トレッド半径 |
クラウンRともいい、曲率半径をmm単位で表す。 |
偏平比
外径は同じでも、タイヤの断面形状をより偏平にすると、トレッドの接地長は減りますが、接地幅は増えます。その結果、タイヤはより大きなパワーをエンジンから路面に伝えることができます。
偏平比と偏平率
偏平比
「アスペクトレシオ」「アスペクト比」などともいいます。タイヤのカタログなどでは、ふつう、偏平率を使います。
偏平率
タイヤの断面形状(プロファイル)の偏平化の度合を表す数値です。単位には%を用います。
偏平率は80>70>65>60>55>50>45>40(%)と小さくなるほど、タイヤの高さに対してタイヤ断面幅が広くなることを示します。
タイヤには、
国ごとに異なる規格があります。
JATMA規格
一般社団法人 日本自動車タイヤ協会JATMAは、Japan Automobile Tyre Manufacturers Associationの略です。(略称:ジャトマ、JATMA)日本国内のタイヤメーカーが定めた規格で、国産新車装着タイヤの規格です。
ETRTO規格
ヨーロッパの規格で、エトルトと発音します。
ETRTOレインフォースド規格
ETRTOスタンダード規格同様、ヨーロッパの規格です。「REINFORCED」や「RFD」と刻印が目印です。また、「XL」や「EXTRA LOAD」のような刻印があるタイヤ、エクストラロード規格もETRTOレインフォースド規格と同じ意味です。
その他の規格
●TRA規格…アメリカの規格。 ●DIN…ドイツの規格。
●ISO(国際標準化機構規格)…国際標準化機構規格は世界で使用されるタイヤの基本的な規格。