カートピア6月号 TOURING With SUBARU SUBARU XV

島田市金谷の「牧之原公園」にほど近い、傾斜地に広がる茶畑の中を走るLEGACY OUTBACK。眼下には、大井川や遠く駿河湾まで見渡せる。天気が良ければ富士山の姿も。

Touring with SUBARU

茶摘み体験からはじまる
お茶づくしドライブ

静岡県牧之原市〜島田市〜静岡市

島田市金谷の「牧之原公園」にほど近い、傾斜地に広がる茶畑の中を走るLEGACY OUTBACK。
眼下には、大井川や遠く駿河湾まで見渡せる。天気が良ければ富士山の姿も。

「夏も近づく八十八夜♪〜」。『茶摘』のメロディが今にも聞こえてきそうな、一面の茶畑が広がる牧之原大茶園。八十八夜にあたる新茶の時期(例年5月2日頃)はとうに過ぎてしまったけれど、青々と光り輝く茶畑では、茶摘み体験ができるところもある。茶娘衣裳で手摘みを楽しんだら、冷茶で一服。今年オープンしたお茶専門のミュージアムで学んだり、濃厚な抹茶スイーツに癒されたり。富士の裾野でお茶づくしのドライブを満喫した。

茶娘に変身して
本気の茶摘み体験


茶畑が台地一面に広がる「牧之原大茶園」の中を疾走するLEGACY OUTBACK。

茶畑が台地一面に広がる「牧之原大茶園」の中を疾走するLEGACY OUTBACK。

全国の約4割の生産量を誇る、日本一のお茶の生産地・静岡県。川根、天竜、本山といった山間部とは対照的に、牧之原周辺は平坦な台地で栽培されている。牧之原台地の開墾は明治維新の頃に遡り、徳川家旧幕臣などにより進められ今に至る。今回は、ダークブルー・パールのLEGACY OUTBACKに乗り込み、一路、牧之原へ。新茶のシーズンは過ぎたものの、10月上旬まで茶摘み体験ができるスポットがあり、しかも茶娘の衣裳がレンタルできるとあって期待が膨らんだ。

「グリンピア牧之原」でスタッフ・石川祐士さんの手ほどきを受けつつ茶摘み体験。慣れてくると楽しい!

「グリンピア牧之原」でスタッフ・石川祐士さんの手ほどきを受けつつ茶摘み体験。慣れてくると楽しい!

東名高速道路相良牧之原ICを下り、国道473号を南下すると茶畑に囲まれて「グリンピア牧之原」が現れた。受付を済ませ、早速着付け室へ。着物に前掛け程度の衣裳かと思いきや、手甲[てっこう]に脚絆[きゃはん]、たすきまで着けるという本格的なもの。腰籠を携えていざ出陣! 茶畑ではスタッフの石川祐士さんが茶摘みを指導してくれた。「『一芯二葉』といって、細い新芽と両脇の茶葉を一度に摘み取ります。今は機械摘みが主流ですが、一番茶の初めは手摘みで行ないます」と話す。茶葉を触ると思いのほか柔らかい。そして摘むたびに生葉の青くさい香りが立ちこめ、口にすると苦みが感じられる。取材時は二番茶の摘み取り前だったが、一番茶は萌黄色で生葉にはほんのり甘みがあるとか。「ここ牧之原は海抜150mほどの台地で日照時間が長く、朝霧が発生するのでお茶の栽培に適しています。この辺りでは“深蒸し”という、通常の2倍程度の時間をかけて蒸す製法が用いられ、茶葉の甘みと深み、濃い水色[すいしょく]が特徴です」と石川さん。

一番茶の上質な茎部分を焙煎した水出し専用ティーバック。コールドブリュー1袋4g×16P入り 486円(逸品館にて購入)。
一番茶の上質な茎部分を焙煎した水出し専用ティーバック。コールドブリュー1袋4g×16P入り 486円(逸品館にて購入)。

一番茶の上質な茎部分を焙煎した水出し専用ティーバック。
コールドブリュー1袋4g×16P入り 486円(逸品館にて購入)。

茶摘みを終え、「逸品館」で自社工場で製茶されたお茶を試飲させていただく。深蒸し茶の朝比奈原をはじめ、香ばしい風味の水出し冷茶や、ベルガモットの香る緑茶のアールグレイが乾いた喉を潤してくれた。こちらではグループ会社・藤枝市の「丸七製茶」の直営店「ななや」の抹茶ジェラートも販売。抹茶は7段階、ほうじ茶は4段階の濃さが用意され、違いを楽しむのも良さそうだ。

美味しいお茶を存分に味わった後は、大井川西岸の牧之原台地に広がる、約5000haに及ぶ牧之原大茶園をドライブ。茶畑に畝[うね]が整然と並ぶ広大な茶園の中を、道路や農道が縦横に走る独特の景観がどこまでも続く。青々としたグリーン一色の茶畑に囲まれて走るのは、実に爽快!国道473号を北上した島田市金谷周辺は見晴らしの良い場所が多く、茶畑の向こうに、大井川と島田市街の街並み、駿河湾が広がり、山々の奥にはうっすらと富士山が見えた。夏場の日中は霞んでしまう日が多く、富士山に出会える確率はわずか。早朝が狙い目だそうだ。

アイボリーカラーの本革シートは柔らかでラグジュアリー感たっぷり。ドリンクホルダーにあるのは丸七製茶の緑茶ペットボトル。県産茶葉使用で、奥が一番茶100%238円、手前が二番茶と秋番茶のブレンド141円。

アイボリーカラーの本革シートは柔らかでラグジュアリー感たっぷり。ドリンクホルダーにあるのは丸七製茶の緑茶ペットボトル。
県産茶葉使用で、奥が一番茶100%238円、手前が二番茶と秋番茶のブレンド141円。

お茶を学び
お茶スイーツを食べ比べ


上海の茶館「湖心亭」を復元した部屋でジャスミン茶のデモンストレーション(2018年6月)。

上海の茶館「湖心亭」を復元した部屋で
ジャスミン茶のデモンストレーション(2018年6月)。

「ふじのくに茶の都ミュージアム」の博物館3階、世界各国のお茶を解説する常設展示では茶葉に触れたり香りを嗅いだりも。

「ふじのくに茶の都ミュージアム」の博物館3階、世界各国の
お茶を解説する常設展示では茶葉に触れたり香りを嗅いだりも。

江戸時代の大名茶人・小堀遠州が手がけた茶室を復元した「縦目楼」。鎖の間「臨水亭」(写真)は有料の茶道体験でのみ入場可。

江戸時代の大名茶人・小堀遠州が手がけた茶室を復元した「縦目楼」。鎖の間「臨水亭」(写真)は有料の茶道体験でのみ入場可。

ミュージアムショップで見つけた藤枝市の陶芸家・前田直紀氏の茶器。ポット1万2960円、湯のみ3024〜3456円、茶托2376円。

ミュージアムショップで見つけた藤枝市の陶芸家・前田直紀氏の茶器。ポット1万2960円、湯のみ3024〜3456円、茶托2376円。

翌日は今年3月に開館した「ふじのくに茶の都ミュージアム」でお茶を学ぶ。目玉となる博物館の3階は世界のお茶がテーマの常設展示室。中国、トルコ、チベットの喫茶空間が再現され、外国の喫茶文化が体感できる。月替わりで海外のお茶のデモンストレーションが行なわれ、その国の茶器を使った実演と試飲が楽しめるのがユニーク。2階は日本のお茶と静岡のお茶がテーマ。静岡の手揉みの技や世界農業遺産に認定された「茶草場農法」の紹介などに加え、気になる症状からおすすめのお茶を提案してもらうデジタルコーナーもあり、お茶の幅広い知識を深めることができた。

「茶町KINZABURO」の特濃抹茶かき氷950円。

「茶町KINZABURO」の特濃抹茶かき氷950円。

お茶づくしドライブの締めくくりは、お待ちかねのお茶スイーツ。東名高速道路静岡ICから約15分、市の中心部、駿府城公園にも近い茶町にお目当ての店はある。茶町は、徳川家康による駿府96カ町の町割により茶商が集められたのが起源で、清水港からお茶の輸出が始まり大きく発展したそう。現在も茶町界隈には100軒ほどの製茶問屋が立ち並ぶ。茶町通りの「茶町KINZABURO」は創業百余年の製茶問屋「前田金三郎商店」の直営店。自社製の抹茶やほうじ茶を使ったスイーツを販売するほか、2階では11種の無料のお茶とともにイートインできる。まずは夏の風物詩、抹茶かき氷を。抹茶の濃さによって3段階あるうちの2番目、濃厚抹茶シロップの上に抹茶がかかる特濃抹茶かき氷をいただく。抹茶の濃さに圧倒されたが、苦みの中に感じるほのかな甘みが絶妙。わらび餅や小豆、白玉を包んだあんこ玉、バニラアイスも隠れていて食べ応え十分!氷はなるべく高い温度でかいているとのことで口当たりもよく、あっという間に完食した。次に名物の「茶っふる」を注文。店主の母のお手製ワッフルをヒントに考案されたそうで、ふわふわ生地に静岡各地のお茶を使ったクリームが挟んである。「香り高い川根茶には粒あん、濃厚な本山茶には鹿の子、優しい味の岡部茶には生クリーム&カスタードという風に、産地ごとの茶葉の特徴を活かした配合のクリームに仕上げました」と店主で日本茶インストラクターでもある前田冨佐男さん。店主のブレンドしたお茶とも相性抜群だ。

茶町通りで際立つモダンな外観。

茶町通りで際立つモダンな外観。

県産茶使用の茶っふるは5種(ほうじ茶、川根、天竜、岡部、本山 各113円〜)。

県産茶使用の茶っふるは5種
(ほうじ茶、川根、天竜、岡部、本山 各113円〜)。

お茶の生産地から始まった今回の旅。生産地となった背景や歴史、製法などを学ぶうち、丁寧に淹れて味わうお茶の大切さや、静岡茶の奥深さに改めて気づかされた。

今月のルート


グリンピア牧之原〜
ふじのくに茶の都ミュージアム〜
茶町KINZABURO

今月の紹介ポイント


グリンピア牧之原

静岡県牧之原市西萩間1151
TEL:0548-27-2995
営業時間:10:00〜17:00
(茶摘み体験は4月下旬〜10月上旬の11:00〜11:30)
<土日・祝日は11:00〜11:30、14:00〜14:30>
※要問合せ。雨天の場合、茶摘み体験は中止
定休日:年末年始 
茶摘み体験料:大人820円
※お土産付き、茶娘衣裳レンタル880円(要事前予約)
http://grinpia.com

ふじのくに茶の都
ミュージアム

静岡県島田市金谷富士見町3053-2
TEL:0547-46-5588
営業時間:9:00〜17:00(入館は〜16:30)
※茶室は9:30〜16:00(入館は〜15:30)
休館日:火曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始
※臨時開館・休館する場合あり
常設展・茶室観覧料:一般(15歳以上)300円
(茶道体験は別途500円、ほか体験は内容により異なる)
https://tea-museum.jp/

茶町KINZABURO

静岡県静岡市葵区土太夫町27
TEL:054-252-2476
営業時間:9:30〜18:00
(日曜、祝日10:00〜17:00)
※2階イートインスペースは〜17:00
定休日:水曜、夏季・年始
http://kinzaburo.com

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