カートピア6月号 SUBARU on the Road

白丸湖でSUP(サップ)体験。流れが穏やかなのでのんびりと楽しむことができる。これほど間近に自然を感じることができるのは湖の上ならでは。
Photographs●成田伸也

SUBARU on the Road

煌めく新緑につつまれて

東京都青梅市~奥多摩町

白丸湖でSUP(サップ)体験。流れが穏やかなのでのんびりと楽しむことができる。これほど間近に自然を感じることができるのは湖の上ならでは。

Photographs●成田伸也

マグネタイトグレー・メタリックのレヴォーグに乗って向かったのは東京都・奥多摩。
東京都内でありながら、今もなお豊かな自然を残し、澄んだ水が流れている場所だ。
取材時は4月中旬ということで、みずみずしい若葉の生い茂る爽やかな景色が広がっていた。
都会の喧騒から離れて自然の中をドライブすれば気分爽快!
心身ともにリフレッシュできる旅となった。

目に映るのは
生き生きとした初夏の色


東京都の最北西端に位置する奥多摩町。都心からクルマで2時間ほどのところにありながら、町の全域が秩父多摩甲斐国立公園に含まれており、山や渓谷といった豊かな自然を楽しむことができる。

いざ奥多摩を目指して中央自動車道を西へ。八王子ICで降り、国道16号、奥多摩街道を経由して都道194号を北上していくと「塩船観音寺[しおふねかんのんじ]」に着く。「塩船観音寺」は開山が大化年間(645~650年)とされる歴史あるお寺で、境内の建物や仏像は文化財に指定されているものも多い。さらに春のつつじ、初夏の紫陽花[あじさい]、やまゆり、秋の彼岸花、萩の花と、季節の花々を楽しむことができる「花寺」としても知られている。取材時はつつじがちょうど見頃を迎えていて、約5000坪のすり鉢状の敷地につつじの花が華やかに咲き乱れていた。赤やピンクのつつじの花と蒼い葉のコントラストが美しく、カメラを片手に境内を散策する人の姿が多いのも頷ける。取材時はまだ紫陽花が芽を出した頃。本誌が皆様のお手元に届く頃には賑やかに花開くだろうと想像しながら塩船観音寺を後にした。

広大な敷地に20を超える品種のつつじが約2万本植えられている。つつじ園山頂の塩船平和観音からは富士山も。

広大な敷地に20を超える品種のつつじが約2万本植えられている。
つつじ園山頂の塩船平和観音からは富士山も。

多摩川に沿って走る国道411号に入ると車窓に映る景色に緑が増えてくる。青梅市街を抜ける辺りから上り勾配が始まるが、レヴォーグはアクセルを踏み込むとしっかりと加速してくれるので心強い。せっかくの新緑を思う存分楽しみたいと「ぼちぼちアドベンチャーすその」を訪ねSUP[サップ]に挑戦することに。SUPとは「Stand Up Paddleboard」の略称で、その名の通りボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進んでいくアクティビティだ。インストラクターの本間美郷さんが、ボードの上での座り方や立ち方、パドルの漕ぎ方などを丁寧に教えてくれた。座ってぷかぷかと漂ったり、立ち上がって水上を進んだり、寝転んだり、思い思いに楽しめるのはSUPならでは。中でも爽やかな風を感じながら木陰で寝転ぶのが最高に気持ちいい。見上げると陽の光に透ける鮮やかな青もみじが風に揺れている。美しい光景に心が洗われた。

風や水の流れを感じながら湖を進んでいく。岩場をくぐり抜けるのはスリリングで楽しい。

風や水の流れを感じながら湖を進んでいく。岩場をくぐり抜けるのはスリリングで楽しい。

安定感のあるボードの上でゆったりと寝転がり、自然の音に耳を澄ます。

安定感のあるボードの上でゆったりと寝転がり、自然の音に耳を澄ます。

青梅市~奥多摩湖までの道中、軍畑(いくさばた)大橋(上写真)や奥多摩大橋など、様々な橋があり風景の変化を楽しめる。

青梅市~奥多摩湖までの道中、軍畑(いくさばた)大橋(上写真)や奥多摩大橋など、様々な橋があり風景の変化を楽しめる。

東京の奥座敷で
水と緑を満喫する


次に訪れたのは国道411号の古里[こり]駅前交差点近くにあるだしまき玉子専門店「卵道[ランウェイ]」。平日の昼すぎでも行列のできる人気店だ。一番人気は青梅市にある「かわなべ鶏卵農場」の「深美卵[しんびらん]」を使った「だしまき定食」。深美卵は卵黄が濃く卵白のしっかりした卵で、冷めても味が長持ちするのでテイクアウトもおすすめ。他には、黄味が白くあっさりヘルシーなホワイトたまごを使った「白だしまき定食」や、生卵付きで烏骨鶏の卵を5個も味わえる贅沢な「烏骨鶏[うこっけい]だしまき定食」もある。卵はもちろん、油やお米なども店主の河村周平さんが厳選した食材を使用。中でも水は店主自ら多摩川の源流である山梨県小管村まで汲みに行く念の入れようだ。高火力・短時間で巻き上げたふわっふわのだしまき玉子をほおばると思わず顔がほころぶ。まずは何もつけずに卵と出汁の味を堪能したら、店主おすすめの山葵[わさび]漬けをつけて。茶碗いっぱいのご飯がすぐになくなり、だしまき玉子がこんなにもご飯に合うのかと驚いた。

白だしまき玉子(手前)とだしまき玉子(奥)。だしまき玉子のお供は山葵漬け、ねり梅、大根おろしの3種からお好みで。

白だしまき玉子(手前)とだしまき玉子(奥)。だしまき玉子のお供は山葵漬け、ねり梅、大根おろしの3種からお好みで。

だしまき定食を食べた後のデザートには、深美卵を使用したプリンを。

だしまき定食を食べた後のデザートには、深美卵を使用したプリンを。

お腹が満たされたところで国道411号をさらに進んでいく。道沿いの町営無料駐車場にレヴォーグを停め、鳩ノ巣渓谷を散策してみる。葉が風になびく音や川のせせらぎ、小鳥のさえずりに、ふっと肩の力が抜けていく。

巨大な岩の間を清流が流れる鳩ノ巣渓谷は迫力満点。

巨大な岩の間を清流が流れる鳩ノ巣渓谷は迫力満点。

町営鳩ノ巣駐車場から徒歩3分程のところにある雲仙橋。クルマ1台がやっと走れるほどの幅の小さな橋梁だ。

町営鳩ノ巣駐車場から徒歩3分程のところにある雲仙橋。クルマ1台がやっと走れるほどの幅の小さな橋梁だ。

奥多摩湖を過ぎると奥多摩町と檜原村[ひのはらむら]を結ぶ全長19.7kmの奥多摩周遊道路に入る。走りを愉しめるワインディングとあって軽快に走っていくライダーの姿を多く見かけた。適度な速度で走り抜けられる気持ちのいいコーナーが続き、レヴォーグの走りを存分に味わえた。春と夏の変わり目、緑鮮やかな景色の中を走りながら、梅雨に入れば雨の雫が滴る木の葉もさぞかし綺麗だろうと想像が膨らんだ。

奥多摩周遊道路は走りはもちろん景色も楽しめる。月夜見第一駐車場からは奥多摩湖や山々の雄大な景色を眺めることができる。

奥多摩周遊道路は走りはもちろん景色も楽しめる。
月夜見第一駐車場からは奥多摩湖や山々の雄大な景色を眺めることができる。

今月のルート


塩船観音寺~軍畑大橋
~奥多摩大橋
~卵道
~町営鳩ノ巣駐車場
~奥多摩周遊道路

今月の紹介ポイント


塩船観音寺

東京都青梅市塩船194
TEL 0428-22-6677
拝観時間:9:00~16:00
入山料:大人300円
駐車料:700円
※つつじまつり(4月中旬~5月下旬)開催中のみ有料
http://www.shiofunekannonji.or.jp/

ぼちぼちアドベンチャー
すその(SUP)

東京都西多摩郡奥多摩町白丸48
TEL 070-3630-0900
期間:4〜11月
時間:9:30〜12:00/13:00〜15:30
料金:¥6000/1人
対象人数:2人〜
http://www.susonookutama.com/

だしまき玉子専門店
卵道(ランウェイ)

東京都西多摩郡奥多摩町小丹波549
TEL 0428-85-8337
営業時間:11:00~15:00
※出汁がなくなり次第終了
定休日:火曜
https://ranway-dashi
maki.com/

注)新型コロナウイルス(COVID-19)の感染予防のため、営業時間・営業内容に変更が生じる場合があります。事前に各スポットへお問い合わせください。
・取材は緊急事態宣言が出される前に、十分な感染予防対策を講じて行なっております。

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