ここがSUBARUですVoL.65
SUBARU車の優れた衝突安全性能をバックアップする
フォレスターの運転席SRSニーエアバッグ
下半身を支えて上半身を守る
フォレスターのキャビンには合計7つのエアバッグが装備されており、必要な時に展開して乗員を守ります。今回ご紹介する運転席SRSニーエアバッグは、ステアリングコラム下のインパネの中に収納されており前面衝突の際にドライバーの下肢へのダメージを軽減します。前面衝突の際にはこれに加えてステアリング内、および助手席のダッシュボード内に収納された2つのエアバッグも展開し、運転席と助手席乗員の上半身への障害を緩和します。
側面衝突時には、フロントシート内のボディ側に収納されたエアバッグ(SRSサイドエアバッグ)が展開し、クルマの外板が室内に侵入する前に乗員の身体を内側に寄せて、巻き込まれないようにします。さらに左右のルーフトリム内に収納されたエアバッグ(SRSカーテンエアバッグ)も展開し、乗員の頭部をサイドガラスやピラーとの衝突から守ります。
SRSエアバックのSRSは、Supplemental(補助)Restraint(拘束)System(装置)の頭文字で「シートベルトを補助して乗員を拘束するための装置」という意味があります。
運転席SRSニーエアバッグにはドライバーの下肢へのダメージを軽減する以外にも、シートベルトを補助して上半身のダメージを軽減するという重要な役割があります。
衝突の際は、プリテンショナーが瞬時にシートベルトを引き込み乗員の身体をシートに拘束しますが、衝突のエネルギーが大きいとシートベルトによる胸部への負荷が大きくなってしまいます。
このような場面で重要な役割を果たすのが運転席SRSニーエアバッグで、展開後も膨らんだ状態をキープすることで、乗員の下半身をしっかり固定し身体全体が前に飛び出す力を抑えます。これにより、大きな衝突の際もシートベルトによる胸部への負荷を和らげながら乗員をしっかり拘束することができるのです。
常にリアルワールドを見据えて
SUBARUの運転席SRSニーエアバッグは、徹底してリアルワールドを意識して造り込みを行なった結果、右側が長い左右非対称としています。(下写真)。リアルワールドで発生率の高い運転席側からのオフセット衝突では、ドライバーの脚が右方向(右ハンドル車)に移動する場合があります。その際、左右対称のエアバッグではドライバーの脚を受け止めきれずに膝がこぼれてしまうケースがあるのです。左右対象のエアバッグであれば、畳み方や展開時の制御は難しくないのですが、SUBARUでは、収納時の畳み方や展開時の制御を工夫して、左側はセンターコンソールまで、右側はドアの側面まで隙間なく展開してドライバーの脚をしっかり守るエアバッグ形状を造り上げました。
また、エアバッグが展開した場面を想定した試験においてもリアルワールドを意識した厳しい試験を行なっています。たとえば、運転席を一番前にして、ニーエアバッグが収納されているインパネに膝をくっつけた状態でエアバッグが展開した際に、膝に無理な負担がかからないかなど、いかなる状態で使用されても安全に機能するよう、様々なポジションや乗員の体格を想定した安全性の確認をしています。このように、SUBARUでは一般的な使い方や自動車アセスメントで評価される際の標準的なポジションはもちろん、それ以外の想定外の使い方も含めて徹底した検証を重ねています。しかしながら、より安心してドライブを愉しんでいただくためにも、運転の際には後席の方も含めて必ずシートベルトを着用し、正しいドライビングポジションで運転していただきたいと思います。
今月の語った人
山根 和也
第一技術本部 電子商品設計部
電子商品設計第二課
愛知県豊田市出身。中学時代に剣道を始め、高校から20代前半までは空手で鍛えた。30代となった現在は料理が好きになり、晩酌のツマミを自分で作っている。お気に入りの調理道具はティファールの圧力鍋。短時間で煮物や蒸し料理などもおいしく簡単にできるそう。得意料理は角煮、煮卵、カレーなど。故郷愛知県のご当地グルメでお気に入りは、ショッピングモールなどに出店しているというスガキヤラーメン。リーズナブルな価格でおいしい懐かしの味だそう。
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