ここがSUBARUですVoL.77
SUBARUの安全基準で造られた
純正アクセサリー開発の舞台裏
SUBARU純正のクオリティ
昨年10月にビッグマイナーチェンジした5代目インプレッサは、エクステリア・インテリアを刷新して質感を向上し、サスペンション改良やアイサイト・ツーリングアシストを全車標準装備とするなど大幅改良を行ないました。これに対応してインプレッサの純正アクセサリーも外装用品を中心にブラッシュアップしました。ここではインプレッサを例にSUBARU純正アクセサリーの特徴についてご紹介します。
アクセサリー企画部は小さな組織なので、関連会社のスバル用品やSTIの他、SUBARUの技術本部やデザイン部など車両開発部署の協力も得ながら、純正アクセサリーの企画・開発・品質保証などの業務を行なっています。たとえば今回開発したフロントグリルは、シンプルなメッシュ構造としながら、黒艶塗装で高品質感を表現し、車両のデザイナーにもアドバイスをもらうなど、後付け感のない、車両全体のデザインと調和したものに仕上げることができました。端部が跳ね上がったメッシュ部の造形は、ウィングレットという航空機主翼のデザインをモチーフにしています。また、車両研究実験部の協力も得て、冷却性能や整備性、雪の吸い込み量、風切音など、車両と同基準で厳しいテストも行なっています。このようにSUBARUの車両部品と同等のクオリティを持っているのがSUBARU純正アクセサリーのメリットのひとつです。
安全性能との両立
SUBARU純正アクセサリーを開発する際、欠かせない要素のひとつに、安全性があります。今回開発したSTIフロントアンダースポイラーは一新したフロントデザインに合わせたスポーティな造形と、STIのノウハウに基づいて設計された、優れた空力特性を持っています。ただ、SUBARU純正アクセサリーにはもうひとつ「安全性能との両立」という重要な使命があります。歩行者保護エアバッグを装備したインプレッサのフロント部には、歩行者の脚部を保護するという機能と、内部のセンサーが衝突を検知して、適切なタイミングでボンネットのエアバッグを展開させるという役割があります。STIフロントアンダースポイラーも開発過程で車両研究実験部と協議し、構成部品の形状や板厚を最適化したり、衝突の際に動く量を確保するため取付穴を長くしてボルト留めをクリップ留めに変更したりと、車両のバンパーと同様の衝突試験を繰り返しながら、細部まで改良を施しています。見た目のカッコよさという意匠性や空力性能を向上するという機能を持っているだけでなく、SUBARU純正アクセサリーは“SUBARU車の安全性能を阻害しない”という高いハードルをクリアしているのです。
求められるアイテムを
速やかに開発
アクセサリー企画部では、お客様のご要望にできるだけ早くお応えするための情報収集も行なっています。特に、お客様の様々なライフスタイルに合わせ実用性向上が求められるような商品については、お客様からのご要望だけでなく、アウトドア専門雑誌の方からも意見をいただきながら、企画・開発を行なっています。そのひとつがインプレッサSPORTにも純正アクセサリー設定しているリヤハッチライトです。車両標準仕様としては、荷室のボディ内側側面にライトがありますが、荷物を沢山積んだときなど、ライト前に荷物を置くと明かりが遮られてしまいます。リヤハッチライトは、リヤゲート側の内側左右に光源を設け、夜間の積み降ろしやリヤゲートに腰かけて作業するときもしっかりと手元を照らします。
組織規模は小さいですが、他部門やサプライヤーの皆さんと協力し、どんなアイテムでもフットワーク良く開発できるのが私たちの強みです。ドライブレコーダーやペダル踏み間違い時急発進抑制装置など、社会背景によって需要が高まるようなパーツも、いち早くお客様にご提供しています。
今月の語った人
藤野 直人
アクセサリー企画部 品質保証グループ
栃木県南部、小江戸と言われる栃木市で生まれ育つ。江戸時代には宿場町として栄えた蔵造りの街の中心には川が流れ、季節の花を楽しむこともできる風情いっぱいの観光スポット。もうひとつおすすめなのは近年オープンした「岩下の新生姜ミュージアム」。館内のカフェでは新生姜を使って作ったメニューが揃っており、中でもジンジャーエールがお気に入りとのこと。ステイホーム中に家庭菜園を始めた。農家を営んでいた祖父母のアドバイスも得て枝豆、ナス、トマトなどが元気に育っているそう。
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