ここがSUBARUですVoL.75
スポーティ&アドバンスを
磨き上げた
19年型インプレッサの
フロントデザイン
Dynamic×Solidの
第1号モデル
16年に発売した5代目インプレッサは、Dynamic×Solidという新しいSUBARUデザインフィロソフィーを100%取込んで造られた最初のモデルです。Dynamic×Solidは、SUBARUがお客様に提供する安心と愉しさという価値をデザイン面から表現したもので、Dynamicは、見た目から得られる情緒的な表現、躍動感やワクワク感。SolidはSUBARUの根幹である機能面を無駄なくシンプルに表現した塊感です。5代目インプレッサでは、“スポーティ&アドバンス”をテーマに、ヘキサゴン(六角形)グリルやフロントランプの中に配したコの字モチーフというDynamic×Solidを象徴するアイコンを起点に、サイドからリヤへと大きく流れていく躍動感を実現することに注力しました。そしてお客様からも高い評価をいただくことができました。
2階建構造で
横への広がりを強調
19年型のエクステリアデザインで狙いとしたのは“スポーティ&アドバンス”を磨き上げること。中でもフロントデザインに注力しました。ただ、フロントだけでなく、あくまでもサイドからリヤへと流れる全体を意識したデザインを心がけました。塊感を感じさせることを狙った16年型のフロントデザインに対し、19年型では「ロー&ワイド」をテーマに横方向への広がりを表現しました。具体的には、フロントフェースを上部アッパーグリル、下部アンダーグリルの2階建構造とし、16年型よりもバンパーを強調しました。アッパーグリルは16年型に対して上に移動し、薄くしています。それにより六連星エンブレムから左右に伸びるメッキバーの延長線上にヘッドランプ内のコの字のラインがピタリと繋がるようにしました。また、ヘキサゴングリルの枠を外すことで、グリルの横方向への広がりを強調しました。
グリル下のバンパー面は、従来より左右に繋がる大きな流れでワイド感を表現。更にキャラクターラインはサイドフェンダーへ繋がる、ダイナミックなバンパーデザインとしました。
踏ん張りと前進感を表現
アンダーグリルは上部の造形を支える“踏ん張り”と“前進感”を表現しました。黒い部分の面積を増やし、グリル開口部が左右に広がったキャラクターを造り、左右のコーナー外側にフォグランプカバーとL字加飾をレイアウトしてワイドなイメージを強調しました。デザイナーが描いたスケッチを立体化するうえで、最も苦労したのが、黒い部分の下にあるバンパー最下端部の造形です。ここはセンター部から左右端に向けて大きな落差を設けることで、踏ん張りと前進感を表現する大切なところなのですが、各要件と整合させるためにスペースがとれなかったのです。そこで、スケッチでイメージを伝えるデザイナーとそのイメージを粘土で立体へと造形するモデラーが知恵を絞り、少ないスペースの中でも、より力強く勢いのあるデザイン表現を見つけ出し、スケッチでイメージしたダイナミックさを実現することができたのです。
全スタッフで実現した
SUBARUの造形
SUBARUでは十分な視界の確保、走るために必要な機能、乗降性や荷室の使い勝手というクルマの性能に関わる部分には昔からこだわりがあり、それはDynamic×Solidというデザイン思想を導入した後も変わりません。変わったのは、デザイナー、モデラーだけでなく、設計や製造などクルマ造りに関わるすべてのスタッフがDynamic×Solidを実現するために専門知識や技術を最大限に発揮するようになったことです。その取組みの中から、新しいインプレッサのデザインは完成しました。スタッフ数は限られていても、みんながひとつの目標に向けて力を結集できるのがSUBARUの強みです。
今月の語った人
武田 航平 (写真左)
デザイン部 エクステリアデザイン課
神奈川県生まれ。お気に入りのスポットは丹沢山系のひとつ大山(おおやま)。山頂からは江の島や富士山が一望できる。ケーブルカーもあるのでハイキング初心者にもオススメ。オフタイムには愛犬を連れて公園のドッグランに行き、他の犬や飼い主さんとの交流を楽しんでいる。
奥間 弘光 (写真右)
デザイン部 モデルデザイン課
沖縄県生まれ。地元の好きなところは、白い砂浜・エメラルドグリーンの海。就職して群馬県に住むようになって、現地ではあたりまえだと思っていた沖縄の海が、キレイだということに気づいた。沖縄はサトウキビ畑が多かったので群馬の田んぼの景色は珍しく、稲が風でなびく様子が気に入っている。
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